登記費用は全てが司法書士の報酬ではありませんよ‼
おはようございます。今回は、不動産売買の最後の手続き「決済」の際に司法書士にお支払いする登記費用についてお話したいと思います。「決済」の場面には、必ず司法書士が立会います。売主から買主へ所有権移転の代行手続きが業務になります。本人たちで直接法務局に行ってできないこともないですが、金融機関で融資を組む場合などは必ず司法書士が立ち会います。
ある共同仲介の決済があり私は売主様側の仲介業者でした。買主様が登記費用として、司法書士の先生に30万円ほど支払っていました。そして、決済が終わり、司法書士は法務局に向かいましたが、買主様が、担当している仲介業者に、
「あの先生、あれだけで30万円持っていったね、、、時給にしたら凄いね、、、」
「あの先生、ボロ儲けだね」
「私も司法書士になろうかなぁ、、、」
とおっしゃっていました。その担当も「そうですね~」と話を合わされていました。その買主様は司法書士にお渡しした30万円ほどが全て司法書士の報酬になると勘違いされていたのかもしれませんね。
実際は違いますので、ご説明させていただきます。司法書士から事前にいただく請求書をみてみると、内訳が記載されていると思います。まず、不動産を購入して所有権移転をするときは、国に税金を支払わないといけません。それを「登録免許税」と言います。登録免許税を計算するうえで基本となる不動産の価格は役所が固定資産税を課税する際に基礎(固定資産課税台帳)とする評価額をもとに計算します。売買価格ではありませんのでご注意ください。その評価額に税率をかけたものが登録免許税になります。売買が原因の場合は、
評価額×20/1,000
ですが、土地の売買を原因とする名義変更の場合は、令和5年3月31日までに登記をすれば、15/1,000が税率になります。その他の登記手続きについても、一定の要件を満たした場合は減税を受けることができますが、法務局が教えてくれるわけではなく、司法書士に依頼する際は、司法書士が適用条件を判断して減税を受けられるように手配をしていくことになります。減税を受けられるかどうかは購入するお客様からすれば大事なことなので、司法書士も緻密なチェックが重要になりますね。
そして、所有権移転登記手続きの際の司法書士の報酬は約50,000円前後のところが多いです。なので、先程の買主様の場合、登録免許税が25万円程、司法書士の報酬が5万円程ということになります。これで30万円全てが司法書士の報酬ではないということはお分かりいただけたと思います。ご自身で登記手続きをされる場合、カットできるのはその司法書士にお支払いする報酬部分のみです。司法書士に依頼しても本人で行なっても登録免許税は同じ金額がかかります。その登録免許税は決済後、司法書士はオンライン申請の場合はネットバンキング等を利用して納付を行ない、書面申請の場合は法務局で収入印紙を購入し貼付して申請を行なうことになります。
又、現在はコロナが落ち着いてきたとは言え、まだ注意が必要ということもあり、遠方の方はなかなか決済に出席できないケースも多いと思います。その場合、売主様、買主様、不在のまま決済をすることも可能です。決済当日に行なう記名押印などの手続きを事前に行なうことによって、不在のままできます。そのときも司法書士に手続きをお願いすることになります。電話や郵送でやりとりしてもらい、決済当日までに手続きを事前に終えます。そして、決済当日は売買代金の振込み、そして、着金確認できたという連絡を売主からいただいたら司法書士が法務局に向かうという流れになります。こうやって、遠方の方でなかなか移動ができない、日程がどうしても合わないという場合は対応できますので、お気軽に担当の仲介不動産会社、司法書士にご相談ください。その際、司法書士によっては若干費用を請求される場合があるので、事前にご確認されることをお薦めいたします。

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