万が一の団体信用生命保険
こんにちわ、山田です。今回は住宅ローンを組む際に加入することになる「団体信用生命保険」についてお話したいと思います。「団体信用生命保険」という言葉を聞いたことはありますか?住宅ローンを取り扱う銀行の方や不動産業界の方はよく略して「団信(だんしん)」と言います。
「団体信用生命保険」とは、住宅ローンの契約者が返済中に亡くなってしまったり、高度障害状態になってしまったときに、ローンの残額を肩代わりしてもらえる住宅ローン専用の保険のことです。ローンの契約者に万が一のことが起こっても、残された家族が住宅ローンの返済で経済的に困らないようにするための生命保険の一種と言えます。
「団体信用生命保険」は住宅ローンを組む際に加入します。亡くなったときは住宅ローンが保険金で全額返済されるということは覚えているお客様は多いですが、高度障害になったときも該当するということを忘れていることがあります。以前、あるお客様からご自宅の売却の相談があったのでご自宅に伺いました。ご主人様が病気で仕事ができない状態になり奥様は住宅ローンが払えなくなりそうなので売却しかないと思っていらっしゃいました。ご主人様の状態を詳しく聞くと、高度障害に当てはまるかもしれないと思い、銀行に一度ご相談することをお薦めいたしました。すると、いろいろ手続きをした後、やはり高度障害と認められ、住宅ローンは完済となりました。奥様から大変喜ばれましたという経験があります。なので、住宅ローンの契約者が病気やケガで身体機能が重度に低下した状況になった場合は、まずは金融機関にご相談ください。
「団体信用生命保険」には、いろんな特約が付いている場合もあります。金融機関によって多少内容は異なりますが、金利にいくらか+することによって保障内容を厚くすることができます。今回は3つご紹介したいと思います。
■がん保障…がん(所定の悪性新生物)に罹患したと医師によって診断された場合に保障されます。しかし、上皮がんや皮膚がんなど対象外になるがんもあるのでご注意ください。治ったら再び払い始めないといけないということはありませんのでご安心ください。
■三大疾病特約付団体信用生命保険…ローン契約者が死亡・高度障害になったときに加えて、「三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)」になったときも、残された住宅ローンが完済される保険です。
■八大疾病特約付団体信用生命保険…ローン契約者が死亡・高度障害になったときに加えて、「八大疾病」になったときも残された住宅ローンが完済される保険です。「八大疾病」とは、三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)と五疾患(糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病)を対象としています。
住宅ローンを組まれる際に、現在加入されている生命保険などの見直しをされる方も多いです。なので、住宅ローンを組む際に団体信用生命保険の内容を充実したものにするのかどうか現在加入している生命保険と照らし合わせて検討してみましょう。
この「団体信用生命保険」ですが、生命保険の一種ですので、審査があります。通常の生命保険よりも告知項目は少ないので比較的加入しやすいと思いますが、病気の種類や症状、経過状況によっては、団信に加入できないという場合もあります。実際は、住宅ローンの事前審査の承認がでた後の本審査の手続きの際に同時に告知して提出しますが、不安な方は、事情を話して事前審査の際に合わせて提出することも可能です。
当たり前のことですが、審査の際の告知事項について虚偽の告知をしてはいけません。お亡くなりになったときや高度障害になったときは、申請があった後、保険会社は調査を行ないますが、その際、当時の告知に虚偽があったと見なされた場合、団体信用生命保険の適用はありません。住宅ローンの残債はそのまま相続人に引き継がれます。そして、契約内容によってはペナルティーが発生する可能性もありますのでご注意ください。
多くの金融機関は「団体信用生命保険」の加入が必須となっていますが、中には任意の場合もあります。健康に不安のある方は、任意の金融機関を選択してもいいかもしれませんね。その際もちゃんと内容を理解しておく必要があります。
今回は住宅ローンを組む際にセットになるケースが多い「団体信用生命保険」についてお話をさせていただきました。私のお客様でも、住宅ローンを組んで3年後だったと思いますが、心筋梗塞になったお客様がいらっしゃいます。そのお客様は三大疾病特約付団体信用生命保険に加入していたおかげで、保険が適用され住宅ローンは完済になりました。今は、部署は変わりましたが、同じ会社で引続き勤務されております。「団体信用生命保険」の大事さを実感しました。

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