仲介手数料値引きの罠、、、

こんにちわ、山田です‼今回は、気を付けてほしい不動産営業マンの甘い言葉についてお話したいと思います。まずは、「仲介手数料をお値引きしますので弊社にぜひ専任媒介をお願いいたします‼」です。不動産の売却を検討する際、複数の不動産会社に見ていただいて査定をしてもらうと思います。その際、不動産会社は単独でお預かりさせていただくことができる専任媒介で受託したいと思っています。そこで、

「弊社に専任媒介でお任せいただけましたら、仲介手数料を半額にさせていただきますのでぜひお願いします‼」

の様な感じで、仲介手数料の値引きを材料に迫ってくる不動産会社がいらっしゃいます。例えば、3,000万円の物件の場合、仲介手数料は

｛（3,000万円×3％）＋6万円｝×1.1＝1,056,000円

になります。それが、半額にサービスしていただけたら528,000円になるので、大きいですよね。売主様も、率直に「嬉しい‼」「お得だ‼」と思い、その不動産会社に依頼しようかなと考えると思います。

 

仲介手数料の、成約価格×3％＋6万円×消費税は、あくまでも上限です。これ以上いただくと宅建業法違反になりますが、下げる分は全然構いません。その会社の営業努力だと思いますので、決して悪いことではありません。ただ、下げることによって、売主様に弊害が起きる可能性があります。ここからがポイントです。

 

まず、売主様から物件を預かった後は、スーモやアットホーム等のポータルサイトに登録したり、チラシを作ってポスティングしたり、新聞折込みをしたり、いろんな媒体を使って反響獲得に励みます。その費用は、もちろん、取引が成功して売主様からいただく成功報酬の仲介手数料から捻出します。仲介手数料は成約になった後にいただけるので、チラシなどの広告代は先行投資になりますね。その仲介手数料を値引きするということは広告に費用があまりかけられないということになります。なので、いくつかのポータルサイトに載せるだけになってしまいがちです。不動産はネット関係のデジタル面とチラシ関係のアナログ面の両面を充実させることによって相乗効果で反響増加に繋がってきます。なので、費用がかけられない分、売主様にとっては満足のいく販売活動をしていただけない状況になってしまいます。そして、販売活動ができない→反響が集まらない→時間だけが無駄に過ぎていく→価格を下げる→※仲介手数料は成約価格によって決まるので価格を下げると仲介手数料も下がるので、その半額にしたら、もっと減るので余計費用がかけれない状況になる、、、というように悪循環になる可能性もあるので、要注意です。

 

次に、以前ご紹介した「囲い込み」の発生にも繋がりやすいということになります。「囲い込み」については、こちらの動画をご参考ください。「囲い込み」とは、簡単にいうと、売主様から物件をお預かりした不動産会社が、買主様からも仲介手数料をいただきたいために、他社へは物件を紹介しないという違法行為のことです。数年前に社会問題にもなったこともあり減ったとは言え、実際の現場ではまだまだ横行しています。この「囲い込み」ですが、仲介手数料を値引きや半額にすることによって、その依頼した不動産会社から「囲い込み」される可能性がかなり高くなってしまうと考えられます。

 

「仲介手数料半額にします‼」という条件で売主様から専任受託した不動産会社は、売主からの仲介手数料は半額にしているので、なんとか買主のほうは自社で見つけて、買主からは仲介手数料満額ゲットしようと考えると思います。なので、他社に紹介して万が一決められてしまっては買主からの仲介手数料は持っていかれて面白くないので、紹介しないという「囲い込み」の状況が完成してしまいます。せっかく、他社のお客様が満額で今すぐにでも買いたいと言っていても、売主様の知らないところでお断りされている可能性もあるのです。「囲い込み」は本当に売主様にとっては意味のない、そして、成約のチャンスを逃してしまう行為なのです。

 

いかがでしょうか？今回は「仲介手数料値引きの罠」についてお話してきましたが、仲介手数料半額などの値引きだけに魅力を感じて依頼してしまうと、このような状況に陥ってしまう可能性があることを知っていただけると嬉しいです。仲介手数料の値引きを材料に専任受託を迫ってくる不動産会社がいらっしゃいましたら、

「広告費用はしっかりかけて販売活動してくれますか？」

「囲い込みはしませんよね？」

「他社にも紹介してくれますよね？」

と質問してみてください。ちゃんと「広告費用もかけます、囲い込みはしません、他社にもちゃんと紹介します」と回答していただければ大丈夫ですが、ごまかそうとしている回答であればお断りしたほうが良いと思います。